『富坂だより』 33号
 2014年6月



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  巻頭言
「いま問われている」  
東海林 勤

 富坂センターの課題のひとつ「日韓キリスト教関係史資料第3巻」(戦後編)の編集は予定より遅れ、申し訳ありません。それでも私たちは、あの時代の日韓連帯の感動と弱さとを、今日見直すことは大事だと思います。

 今は日韓、日朝の関係が第二次大戦後最悪です。やはり、良きに付け悪しきに付けて歴史の重みを曖昧にしてきたからではないか。

 私は昨年末に東大の東洋文化研究所の真鍋祐子教授から著書と翻訳書を戴いて拝読し、韓国人の人権あるいは尊厳の闘いが徹底しているわけを、深く共感しつつその心の奥底まで探っていらっしゃることに、たいへん驚きました。ということはまた、韓国人の普遍的な人権闘争は同時に強烈な民族的「恨」(ハンと読む。長い間に心に積もった悲しみと正義回復の願い)に根付いたものだということであり、したがって韓国人のあの尊い民主化闘争の根っこには、言語に絶する日本人の暴虐があったということです。

 もう一つ、故呉在植【オジエシク】氏の回顧録を翻訳中の山田貞夫さん(高麗博物館前理事長)が、呉さんの青年時代まで読ませてくれました。

〔呉在植とは、CCA(アジア・キリスト教協議会)やWCC(世界教会協議会)の重要な働きをし、70〜80年代には東京のキリスト教会館に事務所を構え、韓国と世界の民主人士を繋いだ人。「民衆こそ歴史の主人公」との信念を貫いた人でもあります。人望が厚く、早くから釜山でのWCC第10回総会の総裁に選ばれながら病に倒れ、「生涯に悔いなし」と言いつつ天に召された人です。〕

 呉さんは平城にいたとき、神社参拝を拒否して殉教した朱基徹【チュギチョル】牧師の教会に出席し、厳しい信仰を教えられました。ですから当然日本人とその教会には強い批判を持っていたでしょう。ところが私はそれをどれだけ感じ取っていたか。「罪責を踏まえて連帯」などと安易に言っていただけではないか。

 やはり歴史においても、現在の新しい出会いにおいても、自分自身が問われ変えられるような真実を求めていくほかないのであろう。

(しょうじ つとむ/当法人評議員会議長)




 
「沖縄における性暴力と軍事主義」研究会の発足
研究会座長 山下明子

富坂キリスト教センターは2013年2月に沖縄宣教研究所との共催による共同研修会を初めて沖縄でもちました。この準備のために多くの議論と対話がなされ、研修会はさらに第2回へと続くことになりました。この過程で、「本土」側が自ら当事者となって問わなければならない多くの課題が明らかになりました。「沖縄からの問い」よりも「本土の問題」としての課題です。

 性暴力と軍事主義の問題もその重要なひとつです。おりから橋下徹大阪市長が旧日本軍「慰安婦」制度を「どこの国もやっていたことだ」と肯定し、かつ沖縄の米軍兵士に風俗利用を勧める発言をして国内外に衝撃を与えました。軍隊による制度的な性暴力を仕方がないことにし、元「慰安婦」被害者や風俗で働く人たちを含めて沖縄の女性たちの尊厳を傷つけたからです。

 沖縄にも130箇所以上の旧日本軍慰安所跡が見つかっています。沖縄戦後は上陸した米軍による性暴力に晒され、本土復帰後も基地による、あるいはそれゆえの性暴力が沖縄では日常的にあります。

 国連人権諸機関をはじめ国際社会からの厳しい勧告にも関わらず、安倍政権は「勧告には法的拘束力はない、従う義務はない」「橋下市長の認識に政府として答える立場にない」と国会答弁しました。その後も橋下市長と同様の女性蔑視的発言をする公人が後を絶ちません。しかも、今や集団的自衛権の議論のなかで人権よりも国の軍事化が最優先課題になっています。沖縄を「日米基地」の最前線にしながら、「本土」の人間が当事者意識をもたないままの危険性があります。

 富坂キリスト教センターはこれまで女性を主体にした2つの研究会を行いました。その成果は『近代日本のキリスト教と女性たち』(1995年)、『女性キリスト者と戦争』(2002年)として出版され、高い評価を受けています。しかし、その後、女性問題の研究会はありませんでしたので、今回、沖縄での共同研修会を契機として、再度、女性を主体にした研究会がスタートすることになりました。

 これが「沖縄における性暴力と軍事主義」研究会です。上記2つの研究会と同様に、近代日本の歴史を含む広い視野からの社会倫理的研究になりますが、性暴力と軍事主義という困難かつ喫緊の課題に実践的に切り込めるように、メンバーには学者、研究者だけではなくジャーナリストやアクティビストも含まれています。沖縄と「本土」側による文字通りの共同研究であるために、メンバーの決定には時間がかかりました。沖縄からは、高里鈴代さん(「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」)、宮城晴美さん(沖縄女性史家)、山城紀子さん(フリージャーナリスト)、安次嶺美代子さん(元沖縄県高教組委員長)の4人、「本土」側からは、川田文子さん(ノンフィクション作家)、鄭暎惠さん(大妻女子大学大学院教員)、秋林こずえさん(同志社大学教員、「女性・戦争・人権」学会会長)、そして研究主事の大嶋果織さん(前橋国際大学教員)と座長の私(世界人権問題研究センター研究員)の5人、合計9人でスタートしました。

 メンバーはそれぞれがこれまで研究や仕事で沖縄および主題の問題と関わってきており、その成果も発表されている方たちですが、これから3年間の富坂キリスト教センターの共同研究によって、国内外に広く貢献できるような新たな成果を出せるように、頑張りたいと思います。この4月に行われた第一回研究会は、今後の研究方法と役割、内容に向けて自己紹介を中心に行いましたが、課題の横へのつながりが見えてきて新鮮かつ有意義でした。  なお、この研究会は沖縄で年に2回、東京で2回行いますが、東京の時は、夜にメンバーによる公開講演会を行います。ご参加をお待ちしています。

(やました あきこ/富坂キリスト教センター運営委員)






「脱原発社会と未来世代への責任」研究会報告

研究会座長 内藤 新吾


昨年4月にこの研究会が発足してより、ちょうど1年が過ぎました。原発問題の様々な分野に関わる方々にお集まりいただいて、会の最初にも話し合ったことですが、この国の原子力に対する異常なこだわりは、国民の大反対を受けても、ちょっとやそっとでは政策変更しないであろうことと、それゆえにこの闘いは、短期間に集中して関わるべきことがある一方、同時に長期的取り組みも必要であり、問題の深層をしっかりと捉えることにより、全国の脱原発を願う仲間が疲れ果てて希望を失うことがないよう、また闘いに勝つための力となる材料をまとめておこうということで、じっくり腰を据え、それぞれの取り組んでこられたことの研究発表をしていただいてきました。

 既にこれまで、三人の研究会メンバーによる発題と、またそれとは別に、宗教界からもゲストを二名お迎えして、仏教界からとキリスト教界からのそれぞれの発題もいただき、非常に貴重な学びのときをいただきました。発題者とタイトルだけでも下記に挙げさせていただきますと、@「いまフクシマをどう受け止めるか」山口幸夫氏(原子力資料情報室)、A「『原子力ムラ』と制度均衡」新藤宗幸氏(千葉大学名誉教授)、B「原爆・原発・再生可能エネルギー」西岡由香氏(ながさき女性国際平和会議)、そして宗教界から、C「若狭の原発と一仏教者のかかわりから」中嶌哲演氏(明通寺住職)、D「核開発とキリスト教―『テクノロジーの神学』の視点から」栗林輝夫氏(関西学院大学教授)、のそれぞれ本当に充実した発題をいただきました。感謝いたします。これらは富坂キリスト教センターの発行する『紀要』に、順次収録されていっています。

 毎回、研究発表のあとで、座談のときも持っておりますが、これもまた大きな気づきを与えられます。センターの『紀要』には、各員の発表しか載せていませんが、この研究会が3年間を閉じるときの最終回には、全ての回を振り返って総括としての座談会も計画し、それも『紀要』に載せさせていただきたいと考えています。それまで、まだあと六人の発題も残っていますので、どうぞご期待ください。

 ところで、私たちの会が予想したとおり、この度政府が打ち出した「エネルギー基本計画」は、呆れるほどヒドイ内容となっておりました。しかしそれにしても、ここまで厚顔無恥な政府であったとは、予想はしていたものの、本当にこの国が、改憲問題とも合わせ、国民を国民とも思わず、権力の暴走を平気で行おうという姿勢がありありと見えます。紙面の関係もあり、少しだけその「エネルギー基本計画」について触れておきますが、これは内容・手続きともに、まさに反社会的の一言に尽きます。

 まず、原発を「重要なベースロード電源」としたことについては、福島第一原発事故の原因がしっかり解明されていないのに、再稼働など無茶苦茶な話です。また再稼働の条件も、原子力規制委員会の規制基準に適合した原発としていますが、原子力規制庁そのものが「基準を満たした原発でも事故は起きる」と認めているため、全く無責任です。そして、そもそも政府のこの決定は、完全に民意無視です。民主党政権下でさえ2012年の夏に、エネルギー政策を決めるための「国民的議論」が行われ、全国11カ所での意見聴取、討論型世論調査が実施されました。また全国パブコメの87%が「原発ゼロ」、78%が「即原発ゼロ」、各地会合の意見集約も同様でした。その後このような大々的な国民的議論や意見集約はなされておらず、今回短期で締切ったパブコメの吟味もなしに閣議決定とは、国民無視も甚だしいことです。さらにまた、とうに破綻した核燃料サイクル政策も継続とは、常軌を逸しています。

 これら権力の暴走に、私たちは決してひるまず、神の求める正義と公平の道を、しっかりと共に歩んでいきたいと思います。これからもどうぞよろしく。

(ないとう しんご/日本福音ルーテル稔台教会牧師)




大切なご縁の中で ―― 寮生から ――

李 美淑

山上国際学寮は大切なご縁の中で出会った場所です。
 私が始めて山上国際学寮について知ることとなったのは、研究活動の中で知り合った飯島信牧師からの紹介でした。面白いことに、私は、山上国際学寮という名前は知らなかったものの、以前から「富坂キリスト教セミナーハウス」についてはとても興味を持っておりました。博士論文のテーマである、1970年代〜80年代の日韓連帯運動について調べていたところ、「富坂キリスト教セミナーハウス」という名前を何度も目にしていたからです。

 例えば、総合雑誌『世界』で「T.K生」として「韓国からの通信」を連載していた池明観先生がお住まいになっていたり、日韓のクリスチャンの連帯活動の資料が富坂キリスト教センターの倉庫に保管されていたり(現在は韓国)、また韓国の民主化運動にかかわっていた韓明淑さんがお住まいになっていたなどのエピソードを知り得ていたからです。しかし、まさにその「富坂キリスト教セミナーハウス」が山上国際学寮であったというのは、飯島牧師と出会ってはじめて知り得たことでした。こうしたご縁があり、私は2011年の春から山上国際学寮での生活を始めました。

 山上国際学寮(富坂キリスト教センター)と研究をめぐる大切な縁は、それだけでありませんでした。当時、私は画家である富山妙子さんのお宅(火種工房)で資料整理などのお手伝いをしておりましたが、富山さんは私が山上国際学寮に住んでいたことを知って、「昔そこで研究会を開いたことがある」ととても懐かしがっておられました。さらに驚くことに、センターの会議室には富山さんの絵も飾られており、とても深い縁を感じざるを得ませんでした。池明観先生、呉在植先生との出会いとともに、「韓国問題キリスト者緊急会議」の飯島牧師、東海林勤牧師、山口明子さん、そして、画家の富山さんや「日韓連帯連絡会議」の和田春樹先生と出会う中、山上国際学寮との出会いがなんだか運命のようにも感じられました。

 研究のために2012年の秋からは、ハーバード・イェンチン研究所の訪問研究員として米国に1年半間滞在しておりました。米国では論文を執筆する傍ら、North American Coalition for Human Rights in Korea (1975-1990)について調査活動をいたしました。当組織には、韓国キリスト教教会協議会の人権委員会や日本のキリスト教協議会および緊急会議からの通信も多くあり、韓国の民主主義および人権のための闘いに、国境を越えたネットワークがともに働いていたことを改めて確認する貴重な機会となりました。  米国での生活が終わり、再び東京での住まいを探すこととなったとき、やはり一番に思い出したのは山上国際学寮でした。いつも温かく接してくださる岡田さんご夫妻や親しくさせてもらった寮の友達、静かで平穏ながらも様々な楽しいイベントが充実していた寮生活のことがとても懐かしく思い出されました。大変運よく今年3月末から、再び山上国際学寮で生活することとなりました。山上国際学寮をめぐるこうしたご縁を大事にしながら、また様々な新しいご縁を大切にしつつ、研究に精進していく所存であります。

 

(い みすく/東京大学大学院総合文化研究科「多文化共生・統合人間学プログラム」特任助教)




富坂子どもの家より
  金子 恒一

 去る3月にふたりの園児が卒園しました。それぞれ片道一時間はかかる道のりを約3年近く、来る日も来る日も車で送迎し続けて下さった保護者の方々の思いを、日々しっかり受け止めたいと願いながら、療育スタッフは子ども達に向き合ってきました。(卒園おめでとう!! 写真;卒園式。臧淵先生を挟んで左右両名)。

 また4月になり、新しい集団クラスもスタートしました。春になって園庭での活動やお散歩も増え、みな伸び伸びと活動しています。教材も徐々に増え、制作や教具での活動の幅がますます拡がっていますが、開園以来変わらないのはお祈りの時間。食前の感謝、そして帰りの感謝、この時間だけは共に手を合わせて一緒に感謝のお祈りをつづけています。

 また各居住する地域の療育クラス(集団)に未だ入れない親子のニーズに応えたいという願いから、新しく0〜2歳児の「親子グループ」が始まりました。まずは5組でのスタートでしたが、園庭遊びもとり入れ、保育室をゆったり使い、スタッフ含め、楽しんでいます。子ども達が、「帰りたくない」とリュックを背負うのをいやがる風景もほほえましいものです。

<指定障害児相談支援の事業の開始について>
 児童発達支援事業を行っている富坂子どもの家は、2014年3月から文京区指定の障害児相談支援事業者としても業務を開始しました。2013年4月1日施行の障害者自立支援法及び児童福祉法の一部改正により、障害者 (児)に対する相談支援体制の見直しが行われ、今後障害児が障害児通所支援(児童発達支援・放課後等デイサービスなど)を利用する前に、其々保護者の療育への希望等を聴き取り、その児童のため「障害児支援利用計画」を作成し(障害児支援利用援助)、さらには通所による療育等の支援が始まって後、一定期間ごと にモニタリングを行う(継続障害児支援利用援助)等の支援を行うものです。

(かねこ こういち/法人事務局長・施設長)  




「京都NCC留学生の東京滞在

シャウベッカー・デトレフ 

   2013年12月に富坂キリスト教センターとNCC(京都)との協力でNCC留学生5名が同センターの山上国際学寮に7日間滞在し、岡田仁先生によって準備されたプログラムで多様な経験や知識を得て満足満々京都に帰りました。プロテスタント系の留学生の内、4名は神学科学生(ドイツ人、内3名が女性)、一名は牧師(男性、スイス人)でした。シャウベッカー(元教授、現農家)がその間の学生世話役でした。滞在中病気などの面倒を見てくださった富坂センター担当者の皆さまに感謝をいたします。

 留学生たちが京都で二ヶ月の間に受けてきた講義は日本宗教史全般についてでありましたが岡田先生によって計画された東京プランはそれとは対照的に日本の今における時事問題を扱ったので京都の講義内容をよりよく補充しました。

― 芝公園にある増上寺のジョナサン・ワッツさんがレクチュアの中に、東日本大震災と福島第一原発事故に対する仏教寺院側の支援に全般的に触れました。私たちはその活動の合理的で実践的な側面をよく感じました。原発事故に関する認識は西日本と東日本では違うので新しい観点や情報が多くありました。ディスカッションの時に米国出身のお坊さんが自己紹介しましたが、東洋仏教の世界やその思想の中で選んできたアプローチについて西洋の観点から見て話したことは我々ヨーロッパ人の関心をひきました。

― 次の二つのテーマは過去にあった戦時行動に対する<後片付け>(政治・倫理・反省)に関わり、靖国神社問題と慰安婦問題についてでありました。この問題は二つともドイツの新聞にもよく取り上げられている世界的な「日本の問題」であるので専門的な知識を持たれた案内者と話せることは学生に大変よいチャンスでした。

 神社案内をなさった辻子実さんは政治と宗教とのからみあいを近・現代史に沿って説明されました。普段耳に入らないようなエピソードや儀式のディテールを<現場>で聞くことは留学神学生の好奇心を大いに刺激しました。

― 早稲田にある「女たちの戦争と平和資料館」の訪問は三つのことを教えてくれました。(1)慰安婦問題が韓国に限らず、東アジアにひろがっていたこと(2)国側の公的な反省表現が浅いにしても国民の間に深く反省するグループがあること(3)ドイツでは処理や反省の運動が数十年前からあるが慰安婦問題にあたるドイツ軍の問題は十分に考えられていないのではないかという三点でした。熱心な学芸員さんとの話しは印象的でした。

 滞在期間の括りに荒井仁先生がまる一日の鎌倉案内、そして夜にはご自宅でのご馳走まで用意してくださいました。気楽な雰囲気でいろいろな話が出来ました。荒井ご夫妻に大きく感謝いたします。

 今後も、富坂センターが同じように京都NCCの留学生に意味のある東京滞在計画を用意してくだされば幸いと思います。

(しゃうべっかあ・でとれふ/関西大学名誉教授)   






DEAR 開発教育協会

金子 恒一

 富坂キリスト教センター2号館は、教育や福祉に関連する様々な市民団体やNPO団体が活動拠点としています。「特定非営利活動法人開発教育協会」もその一つ。

 『南北格差・環境・紛争・貧困など、地球上で起こっている諸問題はわたしたちの生活と無関係ではありません。開発教育とは「知り・考え・行動する」という視点でその解決に取り組んでいくための教育活動です。開発教育協会は、国際協力NGOや国連関係団体、地域の市民団体など約50の民間団体と約700名の個人で構成される教育NGOです。1982年に発足して以来、開発教育と呼ばれる国際理解や国際協力をテーマとした教育活動や参加型学習の普及推進を行なっています。2012年12月に設立30周年を迎えました。・・・』と謳っているように、世界各地の人々の生存を脅かす様々な問題をテーマに、日本全国各地の学校教育、社会教育の現場で子どもや成人を問わず、幅広く講演会やワークショップ等の活動を続けておられます。

 たとえば、同協会が編纂した「コーヒーカップの向こう側−貿易が貧困をつくる?!」と題した教材をもとに、ワークショップ等では身近な「コーヒー」を例にして世界の南北問題について取り上げ、「南」の国々の低開発の原因となっている世界貿易のしくみはどのようなものなのか?「不公正」とされる貿易とは?そこで困っているのは誰か?私たち消費者とのつながりを理解し、私たちにできることは何なのか?と掘り下げていきます

。  今年度もイベント・セミナー等多数予定さています。興味ある方は、ぜひ一度下記WEBサイトを訪問してみてください。

特定非営利活動法人 開発教育協会/DEAR http://www.dear.or.jp/
<東京事務所>
〒112-0002 東京都文京区小石川2-17-41富坂キリスト教センター2号館3階
  TEL: 03-5844-3630 FAX: 03-3818-5940

 

(かねこ こういち/法人事務局長・施設長)   




富坂キリスト教センター 2013年度 事業報告

T 出版物
@『富坂だより』31号を6月に、同誌32号を12月に刊行。
A『富坂キリスト教センター紀要』4号を2014年3月刊行。

U 研究会
@「日韓キリスト教史資料集第V編」研究会(2007年〜)
東京・京都の部会、新教出版社、センターで編纂作業を継続。
A「社会事業の歴史・理念・実践―ドイツ・ベーテル」研究会(2011年〜)
2013年5月30〜31日第7回研究会(研究発表:山本光一座長、出版・論文について)
2013年9月17日第8回研究会(研究発表:岡田仁担当主事)
2013年10月23日、12月5日、2014年2月7日いのちのことば社と打ち合わせ 2014年2月26日第9回研究会(座談会・出版について)
B「脱原発社会と未来世代への責任」研究会(2013年〜)
2013年4月13日第1回研究会(本研究会テーマ設定と今後の計画について)
2013年9月28日第2回研究会(研究発表:山口幸夫さん)
2014年1月25日第3回研究会(講演:中嶌哲演さん、栗林輝夫さん)
2014年2月22日第4回研究会(研究発表:新藤宗幸さん)

V 研修会
○沖縄宣教研究所・富坂キリスト教センター共同研修会
 2014年度継続開催に向けて準備
・5月24日
 第1回共同研修会報告集作成(参加者のみ配布)
・11月4日〜5日
饒平名長秀先生退任記念講演会(沖縄)に岡田総主事出席。友寄理事長はじめ理事と面談。 ・11月23日
日本基督教団関東教区群馬地区大会(講師:神谷武宏牧師)に岡田総主事出席
主題:「沖縄と米軍基地〜民の叫びは天に届かないのか?〜」
・2014年1月28日
 研修会打ち合わせ(東京):神谷牧師、三村修委員、岡田総主事
・2月21日
 第1回共同研修会報告集U作成(参加者・沖縄宣教研究所に配布)
・3月18日
 研修会打ち合わせ(沖縄):沖縄宣教研究所理事9名、三村修委員、岡田総主事。

W 朴ソンジュン先生を囲む会
日時:2013年10月10日(木)
会場:富坂キリスト教センター1号館
主題:日韓交流の将来
講師:朴ソンジュン先生(キルダム書院院長、元韓国聖公会神学大学教授)
 ※講師が急きょ入院(韓国)のため中止

X センター運営委員会
 2013年4月22日、9月30日、2014年1月20日に開催。

      「紀要」4号発行のお知らせ
《論文》
「キリスト教会の牧師としての行き詰まり」について  (山本光一)
慈愛の人フリートリッヒ・フォン・ボーデルシュヴィングの生涯と業績(橋本孝)
いま、フクシマをどう受け止めるか(山口幸夫)
「原子力ムラ」と制度均衡(新藤宗幸)
若狭の原発と一仏教者のかかわりから (中嶌哲演)
核開発とキリスト教 ―「テクノロジーの神学」の視点から  (栗林輝夫)
ディアコニアの歴史的変遷とその今日的意義  (岡田仁)

《講演》
沖縄の基地と平和(平良修)
沖縄の歴史と文化(饒平名長秀)
追い散らされた者として沖縄で宣教を考える−ボンヘッファー『共に生きる生活』を読みながら−  (村椿嘉信)
「生か忘却か!」〜〈ヒロシマ〉を問う旅を続けて  (天野文子)
琵琶の歴史から学んだこと(ジョージ・ギッシュ)
ドストエフスキーのクリスマス 〜子どもたちのために〜  (鈴木伶子)

《センター 2013年度事業報告》
2013年度に実施されたセンターでの研究発表と講演を収録しています。
頒布価格は1冊1000円(送料込)です。




つながる・つづける・かわる

三村 修

新しい出会いや学びを経験すると、「変わりたい」「変わらなければ」という思いを与えられる。しかし、そういう熱い思いも時間が経つと冷めてゆく。結局何も変わらなかった、ということを私は何度経験しただろう。ここで大切なことは、気持ちが冷めないうちに、変わるための仕組みを作っておくこと。新しい「習慣」を確立すること。

 沖縄宣教研究所・富坂キリスト教センター共同研修会が2013年2月に開催された。この研修会の準備の段階で沖縄から聞こえていた声は、「また同じことの繰り返しなのか」という問いかけだった。

 沖縄にいろいろな団体が研修に来る。沖縄側は研修の受け入れにエネルギーを注ぎ、訪問者と沖縄の現実を分かち合う。そこには沖縄の現実に触れた人たちが日本を変えてゆくことへの期待がある。しかし、結局これまで日本は変わらないままだった。あの出会いは何だったのか?

 2014年3月、岡田主事と私は、沖縄を訪問し、第2回沖縄宣教研究所・富坂キリスト教センター共同研修会について、準備の会議をもった。この共同研修会は富坂キリスト教センターにとって、富坂キリスト教センターの姿勢が変わってゆくための仕組みの一つとなった。

 第2回研修会のテーマは何が良いのだろうか? 私たちは天皇制を含む文化の問題に切り込んでゆくべきだろうか? それとも戦後70年を問い直すべきだろうか? 会議の中で出てきたのは「継続性を大切にしたい」という強い声だった。

 第1回研修会で、沖縄の歴史と植民地的現状を分かち合いながら、聖書を読むことに取り組んだ。「では、この研修会に参加した人たちの聖書の読み方が、その後どう変わったのか、あるいは変わらなかったのか? あるいは、それぞれの教会での取り組みの何が変わったのか、何も変わらなかったのか、そのことを聴きたい」。

 これは、沖縄県外からの参加者にとっては、とりわけ厳しい問いかけだ。その一方、沖縄の牧師たちが自らを問う声もあった。「沖縄で沖縄の歴史と共に歩んできた牧師たちは、時代時代に、どう聖書を読んできたのか? それを若い世代に語り伝えたい」。  第1回研修会参加者の気持ちが冷めないうちに、第2回研修会を開催したい、という思いはあったが、参加のしやすさを考慮して、沖縄での第2回研修会は、2015年2月24日(火)〜26日(木)ということになった。テーマは「植民地主義と神の国の宣教II 〜沖縄で聖書を読み直す」。

 しかし、これでは間が二年あいてしまう。富坂キリスト教センターとしては、第1回研修会に沖縄県外から参加した人たちによる振り返りのための修養会、「沖縄研修富坂リトリート」を6月に富坂キリスト教センターを会場にして開催する予定である。

(みむら おさむ/センター運営委員・教団佐渡教会牧師)







編集後記

  我が家に昨年植えたばかりのハナミズキが咲きました。植えて2〜3年は咲かないとありましたが、歌にあるような「薄紅色のかわいい」色です。春の到来を告げる梅、桜も勿論いいものですが、春を実感できるハナミズキは本当に麗しく、また何か力強さを感じます。さて「東アジアミッション」としては、いつも東アジア間の動向に注目せざるを得ません。政治で上手くいかないときにも、経済や市民レベルでは別な流れがあると心強いもの。今年1月の外国人観光客数が昨年同期に比べなんと6割増しと発表がありました。特に全体の84%を占めるアジアからの観光客増は顕著。確かに実感するのは、平日昼間の東京、歴史的観光スポットのみならずお台場等のちょっとした有名スポットまで、大きな声で話される様々なアジア圏の言語が入り乱れた状態。政治的関係では長らく冷え切った状態が続く中、彼らの姿によってまるで東京には花が咲いているように感じます。カメラやiphone片手に思い思いに日本での思い出づくりをする人々の姿も、この国にとっての宝だと思います。

(編集委員 金子恒一)


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